アトリエで一番ご好評頂いている季節のリースレッスンですが、今日はレッスンを何年も続けて来た中で感じることを少しお話してみようと思うんです。
教える講師も人間ですから、価値観、感性、拘りはみんなそれぞれ違うんですね。
皆さまがぴったりだわと思える講師の方に出会えるように、今日はフルール・エ・モアの講師が思う作品作りについてのお話。
この仕事をしていて言うのも違和感があるかも知れませんが、私の性格はもともと大雑把な方で、アバウトな事が得意なのですが、それでも作品作りに取り組む時は一定の考え方や価値観の元で行っています。
リース作りのセオリーはフラワーデザインの世界である程度決められた定義や常識があるので、どこのお花の教室に通ってもその内容には共通点が多々あるかと思います。それ以外の、テキストには載っていない、買った本では語っていないようなところがそのお教室のカラーなのではないかと考えています。
アトリエ フルール・エ・モアでは、フラワーデザインの技術の他にどんな事をお伝えしているのか。
それは、一言で言うならば、ご自身の作った作品に「愛情を持ちましょう」という事です。
えっ?!そんなこと?と思われたかな。
ですが、これが作品から溢れる雰囲気を大きく変えるのです。
例えば、お子様がいらっしゃる方、ペットの犬や猫を大切にする生活をされていらっしゃる方、例えば記念日に写真を撮る機会があったとしましょう。お子様なら七五三のお祝いの撮影とか、ペットでも今写真館でのプランが登場していたりペット写真のコンテストがあったりする程ですので、そんな機会を想像してみましょう。
できるだけ可愛く映るように色々な工夫をしますね。こんなポーズが一番可愛い、この子にはこの色の髪飾りが一番きれいに見える、この服が凛々しく見える、など。
それと同じような感情を作品に向けてあげることであらゆる行動が変わって来るのです。
私がレッスンの中で伝えているのは、ちょっとした気遣い。
良く拝見するのは、花材をリース台に施す際グルーで接着して行きますが、そのグルーの量を多く使ってしまう事です。多く使ってしまう気持ちは良く分かるんです。接着した花材が落ちないようにって思うんですね。私も同じように思う事はもちろんあります。ですが、必要としているものに必要としている量を与えてあげるが原則です。軽くて小さい花材にグルーを沢山付ける必要はないんですね。多く付けることで何が起きるかと言うとできがった作品のあちこちでグルーが見えてしまうのです。
技術を学び、植物をのびやかにリース台の上に配置することを学んで100点満点の作品を作り上げたとしてもグルーが見えてしまっているとお花畑に行ってた心が現実に引き戻される感覚になり、少し残念な結果になります。
一例をあげたらそんな感じです。
枝の切り方、フックの付け方、ちょっとした事なのですが、気を配ってあげることで出来上がった作品は大切に育てられた子供のようにバランスの取れた精神状態を持っているかのような作品が出来上がるのですね。
そんなこともレッスンの中ではお伝えしています。技術と同様にとても大切なことと感じています。
是非、リースを作る上で心に留めて頂けたらと思います。素敵な作品を作る近道ですね。